LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
「つまり、こういうことですね」
オレは受け身を取って跳ね起きた。
海牙は、すでに兄貴に打ち掛かっている。繰り出す拳が速い。
上腕でガードした兄貴が体勢を崩す。
牛富さんが背後から海牙につかみかかる。
海牙はそっちを見もしない。ただ、正確な回し蹴り。
かすめただけで、大柄な牛富さんが吹っ飛ぶ。
オレは舌打ちと同時に地面を蹴った。
兄貴と雄をまとめて相手する海牙の足元を狙う。
「おっと」
海牙はオレの足払いをかわした。
また、あの高すぎる跳躍だ。雄の頭上を楽々と越えた。
海牙の着地点に亜美さんがいる。