LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
オレが仕掛ける。
短い助走。跳躍しつつハイキック。
海牙は体を沈めて攻撃をさばいた。
そのまま右手を軸に、両脚を蹴り上げる。直線的な軌道。
クロスさせた上腕に受ける。
一瞬、止まったように感じた。
ふわっと重心が消えた。体が宙に投げ出された。
蹴り飛ばされたわけじゃない。持ち上げられて放られた気がした。
空中で、自分の重心を取り戻す。宙返りして着地する。
海牙もまた、跳んで着地したところだ。
師央の真後ろだった。
海牙は左腕で、後ろから師央を抱えた。
右手の人差し指を、師央のこめかみに当てる。
「チェックメイト」