LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


オレが仕掛ける。


短い助走。跳躍しつつハイキック。


海牙は体を沈めて攻撃をさばいた。


そのまま右手を軸に、両脚を蹴り上げる。直線的な軌道。


クロスさせた上腕に受ける。



一瞬、止まったように感じた。



ふわっと重心が消えた。体が宙に投げ出された。


蹴り飛ばされたわけじゃない。持ち上げられて放られた気がした。


空中で、自分の重心を取り戻す。宙返りして着地する。



海牙もまた、跳んで着地したところだ。


師央の真後ろだった。


海牙は左腕で、後ろから師央を抱えた。


右手の人差し指を、師央のこめかみに当てる。



「チェックメイト」


< 244 / 485 >

この作品をシェア

pagetop