LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
「やっぱ、でき婚?」
結局、昨夜は、兄貴が海牙を後ろに乗せて走った。
メットは牛富さんが予備を持っていた。
大都高校前で降ろしてやると、海牙は上機嫌だった。
「初めてバイクに乗りましたよ。爽快なんですね。それにしても、皆さん運転がお上手で。無免許なのにね」
兄貴が苦い顔をした。
「その点だけは他言無用で頼む。おれはこれでも生徒会長なんでな」
「わかってますよ。また機会があったら乗せてくださいね」
海牙は普通に歩いて帰っていった。
飄々《ひょうひょう》とした後ろ姿だけ見てれば、ただの高校生なのに。
師央は黙りっぱなしだった。
疲れたんだろう。
無理にしゃべらせるつもりはない。