LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
海牙は、波打つ髪を撫でつけた。
苦笑いしている。
「さすがに、通学路では迷いませんね」
なるほど、確かに。
オレの家から、一旦、大都高校のそばまで行った。
そこから改めて、この邸宅へと向かった。
位置関係からすると、大回りになっている。
理仁【りひと】がメットを取った。
「ってことは?
このお屋敷が海ちゃんちってこと?」
「いえいえ、まさか。
ぼくはここに住ませてもらってるだけですよ。
総統の何番目かの持ち家でね。
お気に入りの別荘だそうです」
「ふぅん。
そういや、大都はほとんど全員が寮生だっけ?
海ちゃん、違うんだ?」
「縛られるのが苦手でね。
監獄ですよ、あの寮は」