LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


「そういうことだ。

母数が小さい宝珠ほど、等級が高い。

つまり、叶えられる奇跡が大きい。

四獣珠はチカラの強い宝珠だ。

それを預かるきみたちの能力も、比較的高い」


比較的、という言い方に引っ掛かった。

やっぱり上から目線じゃねぇか。


平井は小さく笑った。


「四獣珠は、伝統的に2位の宝珠だった。

が、数十年前から、違う。

私の先代のころ、二極珠が平井家に譲られた。

今、もとの預かり手の家系に能力者はいない。

二極珠は、ここにある」


平井が両方の袖【そで】をまくった。

鈴蘭が、のどの奥で悲鳴をあげた。


平井の上腕に、宝珠が埋まり込んでいる。

右に純白の。

左に漆黒の。

それらが、二極珠だ。


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