LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


平井は袖を元に戻した。


「気味の悪いものを見せてすまないね。

私は、全身がこんなものだよ。

妻も初めは怯えていた」


のどが干上がっている。

声に、それでも、力を込めた。


「四獣珠も、そうして取り込みたいのか?」

「すぐに、とは言わんよ。

譲ってくれなくてもいい。

ただ貸してくれるだけでいい。

でも、いきなりは信用できないだろう?

ぜひ、海牙くんのように、じっくり私を観察してくれ」

「観察?」


オレは海牙を見た。

海牙はうなずいた。


「総統は、ぼくたちより、はるかにお強い。

ぼくたちを屈服させることは、本当は簡単です。

でも、そうなさらない。

おもしろいから、観察させていただいてます」


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