LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


オレも、鈴蘭も、師央も、理仁も。

海牙や天沢までも。

ひざまずいている。


全身を、冷たい震えが襲う。

頭を上げたら命がない。

そんな恐怖の妄想が、脳内に植え付けられて。


ふざけんな。


平井の意のまま、ただ一声で、自由を奪われる?

恐怖による支配?

絶対的に強力な異能?


オレの意志は、オレのもんだ。


《骨があるな、伊呂波煥くん。

きみの強さは、能力だけに依存していない。

いいね、おもしろいよ》


だから、さっきから言ってるだろうが。

上から目線は気に食わねぇんだよ。


《1つ、きみに、いい体験をさせてあげよう。

少々怖い思いをすることになるがね》


は?

ふざけ……。


ストン、と。

場面が切り替わる。

浮遊感。

巨大な手のひらにわしづかみにされる。

そんな錯覚。


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