LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
オレの顔が歪む。
笑いの形に歪む。
オレは牙を剥く。
爪を研ぎ澄ます。
「あ……煥、先輩……?」
怯えて揺れる青い目。
すくんだ体。
細い肩をつかむ。
力を加えるまでもない。
“襲いたい”
のしかかる。
震える女の唇を、手のひらで押さえる。
うるさい女は嫌いだ。
加速する衝動。
本性を現すケダモノ。
理性と迷いを断ち切る、支配者の命令。
《最も襲いたくない相手を襲え》
繰り返された命令に。
しかし。
突然。
本能が叫んだ。
“矛盾だ!”
本能は知っている。
戦うことの意味を。
“銀髪の悪魔”
悪魔になれるのは。
それが、“守る”ための戦いだからで。
“壊す”ことは、望んでない。
“襲うことは……望んでない……!”