LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
「あああぁぁぁぁぁああっ!!」
オレは叫んだ。
鈴蘭の肩口に顔をうずめて。
のどが裂けそうなほど、叫んだ。
息をつく。
鈴蘭の甘い髪の匂いがした。
畳の匂いがした。
「煥……先輩……?」
鈴蘭のかすれ声が聞こえた。
頭が痛い。
胸が痛い。
意識が、本能が、引き千切られそうになった。
戦いの手段は、破壊で。
オレは破壊が得意で。
それを楽しむ本性を隠し持っていて。
戦いの目的は、守ることで。
守るためだからこそ、強くなれて。
絶対に守りたい存在を理解していて。
自分自身を怖いと思った。
壊すことも、守ることも、紙一重で。
どちらを選ぶのか、自分の意志ひとつで。
オレの意志は、弱い。