LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


「あああぁぁぁぁぁああっ!!」


オレは叫んだ。

鈴蘭の肩口に顔をうずめて。

のどが裂けそうなほど、叫んだ。


息をつく。

鈴蘭の甘い髪の匂いがした。

畳の匂いがした。


「煥……先輩……?」


鈴蘭のかすれ声が聞こえた。


頭が痛い。

胸が痛い。

意識が、本能が、引き千切られそうになった。


戦いの手段は、破壊で。

オレは破壊が得意で。

それを楽しむ本性を隠し持っていて。


戦いの目的は、守ることで。

守るためだからこそ、強くなれて。

絶対に守りたい存在を理解していて。


自分自身を怖いと思った。

壊すことも、守ることも、紙一重で。

どちらを選ぶのか、自分の意志ひとつで。

オレの意志は、弱い。


< 310 / 485 >

この作品をシェア

pagetop