LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
オレは起き上がって、鈴蘭から離れた。
師央と理仁が、鈴蘭を助け起こす。
オレは目を閉じた。
呼吸を整える。
ゴトゴトと走る心臓。
恐怖が去っていかない。
平井の声が聞こえた。
「怖かっただろう、伊呂波煥くん?
守りたいものを、一時の衝動で破壊しそうになる。
自分に力があるからこそ、破壊できてしまう。
それがどれほど怖いことか。
今、わかってもらえただろう?」
沈んだ響きだった。
まじめな口調だった。
オレは、目を閉じたまま訊いた。
「自分はいつもその恐怖を感じている、と?
そう言いたいのか?」
平井が答えた。
「そのとおりだ。
私は、途方もないものの預かり手だから」