LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
「大樹そのものが崩壊しますね」
平井の部屋を出たときには、もう夜だった。
夕食をどうか、と天沢に訊かれた。
そんな気分じゃなかった。
申し出を断って、邸宅を後にした。
県境の高原から、道を下る。
帰るだけだから、案内はいらない。
海牙はオレの左ひじをつかんでいた。
バイクと並走するローラースケート。
人目のない道を選んで走る。
見慣れた町まで降りてきた。
ファミレスの明かりを見付ける。
理仁【りひと】がオレたちに声をかけた。
《腹、減ってないかい?
どうせなら、みんなでディナーしようぜ》
異論はない。
合図して減速する。
ファミレスの駐車場で、それぞれ家に連絡を取った。