LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


師央が栗色の頭を掻いた。


「ぼくはともかく。

文徳【ふみのり】さんがいたら、完璧ですよね。

大人っぽくて頼りがいのある雰囲気で」


鈴蘭まで話に乗っかり出した。


「文徳先輩もだけど、亜美先輩もね。

キリッとして凛々しいイケメン系美女でしょ?

女の子のファンが多いの。

それこそ目の保養って、寧々ちゃんも言ってる」

「え? でも、寧々さんの好きな人って……」

「うん、尾張くんだよ」

「全然タイプ違いますけど」

「本命と観賞用は別腹なの」


そんなもんなのか?

微妙に気分悪い言い方だな。


海牙がいきなり笑い出した。


「あははっ、煥くん、わかりやすいですね!」

「はぁ?」

「乙女心は複雑だからね」


< 321 / 485 >

この作品をシェア

pagetop