LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
師央が栗色の頭を掻いた。
「ぼくはともかく。
文徳【ふみのり】さんがいたら、完璧ですよね。
大人っぽくて頼りがいのある雰囲気で」
鈴蘭まで話に乗っかり出した。
「文徳先輩もだけど、亜美先輩もね。
キリッとして凛々しいイケメン系美女でしょ?
女の子のファンが多いの。
それこそ目の保養って、寧々ちゃんも言ってる」
「え? でも、寧々さんの好きな人って……」
「うん、尾張くんだよ」
「全然タイプ違いますけど」
「本命と観賞用は別腹なの」
そんなもんなのか?
微妙に気分悪い言い方だな。
海牙がいきなり笑い出した。
「あははっ、煥くん、わかりやすいですね!」
「はぁ?」
「乙女心は複雑だからね」