LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


「総統が以前、お話しくださったんですよ。

運命という名の大樹のことを。

ぼくの趣味に合わせて、物理学的な言葉でね」

「海ちゃんてば、いい趣味してるね~。

お手柔らかに説明してもらえる?」


海牙はひとつ苦笑いして。

そして、話し出した。


「運命という大樹は、多数の枝を持っている。

枝分かれの可能性は、至るところにある。

これは先ほども言ったとおりです。

でもね。

枝は、多数ではあっても、無数ではない。

運命の大樹に支えきれる“質量”。

それには限界があるんです」


鈴蘭が確認した。


「“質量”は、“重さ”のことですよね?

この一枝が“重く”なったのは“質量”が増えた。

そういう意味ですね?」


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