LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
あの平井が不安そうだった。
オレはそれを思い出して。
ある可能性に気付いて、ゾッとした。
「運命の大樹の“質量”が10だとして。
一枝だけで10になったとしたら、どうなる?
ほかの枝がすべて消えるんだよな?
だったら、もしも。
一枝が10を超えてしまったら?」
海牙はあっさりと答えた。
「大樹そのものが崩壊しますね」
師央が、自分自身を抱きしめて座り込んだ。
鈴蘭が師央のそばにかがむ。
「師央くん、大丈夫だよ。
わたしたちが守る。
方法を探そう?
師央くんが望む一枝は、絶対に消させない。
今のこの一枝に、すべてを支配なんてさせない」
理仁がささやくように言った。
「この一枝は、そんなにヤバいのか?」