LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


師央が理仁を見上げた。


「人数や距離がわかるんですか?」

「わかるよ。

おれの号令は、超音波的な何かみたいでさ~。

要するに、レーダーとして使えるってこと」


海牙が説明を補った。


「号令は、リヒちゃんを中心に、同心円状に広がる。

号令を聞く対象の場所と形が、反響として察知できる。

そういうことですね?」

「たぶんそれ。

で、おれの号令は能力者には効かないわけだけど。

この場から追っ払うくらいならできるよ」


理仁がオレたちにウィンクした。

銃弾が飛んでくる方角に向き直る。


《聞け、狙撃者》


発せられた号令は、限定的で。

的が絞られたぶん、気迫の密度が高い。


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