LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
理仁は宙をにらんでいた。
拳がわなわなと震えている。
息が上がり始めている。
狙撃は止んでいる。
オレには状況が読めない。
障壁を展開したまま、待つ。
理仁が小さく笑った。
子どもをあやすように言う。
《そうだ、それでいい。
さっさと行くんだ》
それきり、しばらく無言だった。
誰も何もしゃべらない。
波が港に寄せる音が聞こえた。
遠くから、車が走り交わす音も聞こえた。
時間が経った。
3分か、5分か。
正確にはわからない。
理仁が息をついて、しゃがみ込んだ。
「もう大丈夫だよ、あっきー。
障壁、消していいよ」
ぐったりした声だった。
鈴蘭と師央が、慌てて理仁のそばに寄る。