LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


オレは理仁の正面に片ひざをついた。

何か言いたい。


「理仁、助かった。

……ありがとう」


結局、うまく言えない。


理仁が目を上げた。

脂汗の浮いた顔で、笑った。


「今、おれ、すっげー嬉しい。

あっきーからお礼言われるとか、すげ~」

「え?」

「シャイで口下手でしょ?

言葉での感情表現、全然しないんだと思ってた」


理仁が、オレの前に拳を突き出した。

一瞬、意味がわからない。

遅れたリズムで、理解する。

オレも拳をつくる。


「お疲れ」


乾杯するみたいに、理仁と、拳をぶつけ合った。

理仁は、師央とも、鈴蘭とも、海牙とも、同じことをする。


タフだな、こいつ。

そう思った。


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