LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
ガレージライヴは、小汚くて乱雑な空間だ。
でも、オレはカルマで歌うのがいちばん好きだ。
バイクを飛ばすのと同じくらい、いい。
自分が透明になる。風にも水にも炎にもなれる。
ただし、今日は微妙に気掛かりがある。
何か言われる前に、釘を刺しておいた。
「来なくていい」
何度も刺しておいた。
でも、鈴蘭のやつ、来そうな気がする。
師央は仕方ない。
留学帰りの理仁も、久々に来たいだろう。
海牙も羽目を外すのが好きなやつだし、寧々や貴宏や順一は族としての瑪都流メンバーだ。
だけど、鈴蘭は関係ないはずで、ライヴ上がりは夜も遅くなる。