LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
歌うことそのものの調子はいい。
喉も心も、歌いたいトーンや情景を、きちんと出せる。
兄貴たちがブチ上げるロックチューンのサウンドとリズムとビートと、オレとの境界線がなくなる。
オレの外側が透明になって、内側の闇の深さを測ってみる。
手探りしたら、わからないものに触れた。自分の中にある、自分でも知らない何か。
リハを終えたとき、ギターを抱いたままの兄貴が言った。
「最近、煥の歌い方が変わったな。聴かせたがってる感じがする」
聴かせたいんじゃなくて、訊きたいんだよ。
オレの胸の中で見付けたこの熱っぽいモノは、何だ?