LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
新曲は、ミドルテンポのロックバラードだ。
兄貴はエレキからアコギに持ち替える。
途中まで、オレの声と兄貴のギターだけ。
目を閉じて歌っていた。
途中で不安になった。
まぶたを上げると、兄貴と目が合った。
兄貴はうなずく。
亜美さん、牛富さん、雄。ゆっくりアイコンタクトを交わす。
いつまで歌っていられるだろう? このメンバーで、こんなふうに。
歌いながら、いつも寂しい。
一曲一曲、終わるたびに、ライヴの終わりに近付くのが実感できる。
それは同時に、瑪都流に残された時間のカウントダウンみたいだ。
未来は、いつ途切れるか、わからない。
続けたいと願っていても。