LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


と。



背中に触れようとする手のひらの気配を感じて、オレは払いのけるんじゃなく、飛びのいた。


振り返りながら言う。



「条件反射で攻撃してしまう。さわるなって言ってるだろ」



お嬢、と呼ばれていた女。


優等生風に、まじめに制服を着てる。



初めて、まともに顔を見た。


黒くて長い髪、白くて小さな顔。


作り物かよ? と思うくらい完璧な顔立ち。


でも、違う。生き生きと輝く、大きな青色の目。まっすぐな怒りの表情。


ふと視線を惹きつけられた唇は柔らかそうで、オレは思わず息を呑んだ。



名前、呼ばれてたよな。確か、安豊寺って。


< 36 / 485 >

この作品をシェア

pagetop