LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
「安豊寺鈴蘭《すずらん》です。条件反射で攻撃って、どれだけ暴力的なの? 信じられない。さっきだって、あんなに蹴ったり殴ったり」
一瞬とはいえ見惚れて損した。
口うるさいやつは嫌いだ。
「やらなきゃ、こっちがやられる。不快なら見なくていいと忠告した」
「不快でも、見る必要があると思った! 立派な暴行罪ですよ! 通報されたら……」
「この河原でのケンカは、通報されない。部外者が口出しするな」
安豊寺が一歩、オレに近付いた。
もう一歩、さらに一歩。結局、触れられる近さにまで。
「後ろからじゃダメでも、正面から近付けば、いいんですね」
どういうつもりだ?