LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
いきなり、安豊寺に足を踏まれた。
意外すぎて驚いた。
「わたし、頭に来てるの。平気で人に暴力を振るうなんて。攻撃されたら痛いでしょ?」
足を踏んでるのは攻撃のつもりか?
このくらい、痛くもかゆくもないんだが。
それにしても小さいんだな、女の足って。
すり切れたオレの革靴の上に乗った、安豊寺の革靴。
一年なんだよな。ピカピカといってもいいくらいだ。
「小言は……」
「後で聞くって、さっき言ってました」
面倒くせぇ。
「……生徒会室で聞く」
オレが、じゃなくて、兄貴が。
たぶん兄貴なら、安豊寺を丸め込めるから。