LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
「……らっ、煥っ!」
揺さぶられて、ハッとした。
兄貴が、泣き笑いみたいな顔をした。
オレは跳ね起きた。
全身が痛い。いや、打っただけだ。このくらいなら動ける。
「オレは気を失ってたのか?」
「ああ。数十秒間だけどな」
「全員、ケガは?」
「問題ない。煥の障壁がなかったらヤバかった。助かった」
出入口は、爆発の衝撃でふさがっている。
海牙が立ち上がった。
「問題ありませんよ。店には申し訳ないけどね」
軽く助走をつける。
跳躍と同時に、長い脚が、ひしゃげた壁を蹴った。
ドアの残骸が吹っ飛んだ。