LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
オレたちは外へ走り出た。
車が一台、やや離れた場所に止まっている。
ヘッドライトが視界に突き刺さる。
目を細めながら、シルエットになった正木をにらんだ。
「白獣珠を返せ!」
正木が大げさに肩をすくめた。
千切れた鎖をつかんで、白獣珠を掲げる。
「試してみたくなる」
試す? 何を? ゾクリと、背筋に寒気が走った。
正木が車のほうを振り返った。運転席に世良がいる。
「朱獣珠の理仁くんがチカラを使い始めてから何分経った? ……そうか。まだ五分か。試してみるには、ちょうどいいかもしれんな」
理仁は五十メートルくらい向こうの空き地にいる。
人垣が低い。腰を下ろした姿勢だ。
その中心で、理仁ひとりが仁王立ちになっている。