LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
正木がそれを命じた瞬間、師央の白獣珠がチカチカと、またたいた。
声が聞こえた気がした――おまえの願い、聞き入れた。
刹那。
白い閃光がほとばしった。
正木の右頬に傷が走る。たらりと血が流れた。
ふらりと倒れる理仁が見えた。
座り込んでいた人垣が、ざわめいて立ち上がった。
理仁の姿が見えなくなる。
兄貴が理仁の名を絶叫して、そっちへ向かって駆け出す。
車のドアが開く音。正木が助手席のそばで、ニヤリとした。
「彼はずいぶん無理していたようだ。この程度の傷を代償にするだけで倒れてしまうとは」
正木は車に乗り込んだ。車が走り去る。
雄たけびが聞こえた。緋炎の総攻撃が始まった。