LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
未来が見える。
運命の一枝に異変が起きてるのか?
正木が未来の白獣珠を奪って行ったから?
思考が迷走しかける。でも、考えても仕方ない。
目の前には戦場。意識を切り替えなきゃいけない。
オレは混戦の集団に向けて吠えた。
「緋炎、テメェら! オレの仲間にナメたことしてんじゃねぇよ! 瑪都流を潰したけりゃ、オレを倒せ! やれるもんならな!」
だてにヴォーカルやってるわけじゃない。
オレの声は空気を震わして響き渡る。
そこここのケンカが一瞬、止まる。
その隙を突いて響き渡る別の声。
《緋炎の臆病者は逃げていいぜ!》
理仁だ。
弾かれたように、緋炎の下っ端が悲鳴をあげて逃げ出した。