LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


オレは兄貴たちのそばを離れた。


海牙と理仁が、何も言わずについて来た。



半壊したバー、カルマの出入口のあたりで、鈴蘭と師央は体を縮めていた。



「終わったぜ。二人とも無事か?」



師央が笑顔を見せた。



「無事です。煥さんも無事みたいで、よかった」



「オレがあの程度の連中に負けるかよ。ほったらかしてて、すま……」



すまなかった。そう言おうとして、息ができなくなる。


鈴蘭がオレに抱き付いている。


柔らかくて温かい。



「煥先輩、わたしっ」



言葉が、すすり泣きに変わる。


オレの胸に、鈴蘭は顔を押し当てている。


Tシャツが汗と埃に汚れてるのが、急に気になった。


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