LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


なつかしい、と感じた。


鈴蘭を抱きしめること。その柔らかさと温もりと存在感が、なつかしい。



――誓います――

神じゃなく、命に懸けて。


――おまえたちを愛し抜く――

そして尽きる、オレの命。



未来の記憶が押し寄せる。


何が起こるのか、形は見えない。


ただ、オレがこれからいだくはずの感情が、胸を満たしていく。



痛い。胸が痛い。壊れていく幸せの残像。心が痛い。



「あ、煥、先輩?」



鈴蘭がオレを見上げた。


薄暗い屋内。でも、鈴蘭の表情はハッキリわかる。



「涙、止まったか?」



鈴蘭が、こくりとうなずいて、オレの胸を少し押した。


オレは腕をほどいた。


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