LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
「一か八かだけどさ」
海牙が、額を押さえる手を下ろした。
緑色の目は陰っている。
「運命を変える、か。できれば、ぼくもそうしたいと思いますよ。歴史に名を残す物理学者は長寿の傾向があってね。ぼくも彼らにあやかりたいところなんですが」
鈴蘭が自分自身を抱きしめた。
力を込めているのがわかる。
それでも、小柄な体の震えが収まらない。
「わたしも、どうにかしたい。何度目のループでも、同じように思ったはず。だけど、師央くんはこうしてここにいる。わたしにできることがあるの?」
師央が涙を拭いた。
オレは拳を固める。
考えなきゃいけない。
手がないなんて、信じたくない。