LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
安豊寺は、ふわっと笑った。
この女、笑うのか。しかも、ふわっと。兄貴の前では。
「知り合いなのか、兄貴?」
「前に、ちょっとね」
兄貴は適当に濁した。
でも、安豊寺が顔を赤くしながら説明した。
「四月に、わたし、校内で迷ってて、生徒会長に助けていただいたんです」
「助けたなんて大げさだよ。おれのこと、すぐに生徒会長ってわかってくれたよね。あれは地味に嬉しかった」
「入学式でのお話、印象に残ってました。わたしも生徒会に入りたくなったくらいです」
だまされてる。兄貴の外ヅラに、完璧にだまされてる。
兄貴も相当ケンカっ早いんだぞ。