LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―

「わたしだって煥先輩を助けたい」



オレは、ひび割れたコンクリートに膝をついた。



赤ん坊の声が聞こえている。


銀髪の男と黒髪の女が倒れ伏している。



女が、赤ん坊を胸にかばっていた。


男は、女と赤ん坊とをまとめて抱きかかえていた。


二人の体の下に血だまりが広がっていく。



「これが未来か」



オレのそばに、鈴蘭と師央と海牙がいる。


黒服の男が二人、オレたちに銃口を向けた。



「き、きさまら、どこから現れた!?」



うろたえた顔の正木。隣の世良も、目を見張っている。



正木と世良の向こうに、男が二人、倒れている。


背格好でわかる。兄貴と海牙だ。


血と硝煙の匂いがする。


正木たちと同じ黒服の男が数人、横たわって動かない。


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