LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


正木と世良が同時に発砲した。


オレの障壁が銃弾を焼き焦がす。


正木の顔に怯えが走る。



「バカな! なぜ、伊呂波煥が二人!?」



「何人いようが、オレの勝手だろ。オレは悪魔と呼ばれる男だからな!」



ケンカの基礎はハッタリだ。


正木も世良も案外、本気でビビってるじゃねぇか。



鈴蘭と師央が、倒れた男と女に駆け寄った。


男の髪の色も、女の横顔も、見覚えがありすぎる。オレと鈴蘭だ。



「パパ、ママ!」



「大丈夫、まだ息があるよ。傷、治せるから」



「でも、痛みを引き受けないといけないでしょう?」



「我慢する」



「一人じゃ無茶です! ぼくも手伝います」


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