LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
オレと海牙が、少し離れる。世良が銃を構える。
狙撃を回避して、連携して近付く。ダメージを与えられない。
オレと海牙にピタリと狙いを定めて、世良がひっそりと笑った。
「KHANにいたころ、阿里くんのことが、ずっと目障りでした。単なるひがみですがね。
力学《physics》の使い手で、情報分析と身体能力に優れる。それだけじゃなく、容姿端麗。総統にも特別に気に入られている。ひがまないほうがおかしいでしょう?」
憎しみと殺気が、世良の全身から噴き出している。
海牙が目を細めた。