LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


「鈴蘭さん」



兄貴が安豊寺を呼んだ。


安豊寺は少し慌てたそぶりを見せた。



「あ、は、はいっ。何でしょうかっ?」



「煥が失礼なことをしたかもしれない。ごめんね。ただ、煥にも事情があるんだ。おれに免じて、煥を許してやってほしい」



「免じて、って生徒会長に言われたら……」



いいえ許しません、とは応えられない。だよな?


たいていの女はそうなると思う。安豊寺も例外じゃないようだし。



兄貴がこっそりオレに目配せした。厄介ごとは片付けてやったぞ、って?


あー、はいはい。感謝してるよ。


じゃあ、ついでに、もう一人のほうもどうにかしてくれよ。


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