LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―

「まったく。勝手に殺さないでもらいたいですね。ぼくはこのとおり、まだ生きている」



軽やかに憎まれ口を叩くのは、腹這いの体勢で銃を撃った男だ。


緩く波打った髪と、緑の目の。



「さすがは阿里海牙ですね。いいところを持っていくんですから」



海牙が、五年後の自分に駆け寄った。



「ぼくも文徳くんも満身創痍なんですよ。さっさと治してもらえますか?」



「へぇ。こういう声としゃべり方なのか。意外と鬱陶しいですね、ぼくって」



二人の海牙が笑い合う。


大人のほうの海牙が、玄獣珠を差し出した。



「二つもあったら、オーバーキルするかもね。でも、足りないよりはいいでしょう」


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