LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


「何をするか、わかってるんですか?」



「この一枝のループを終わらせるんでしょ」



「想像がついてましたか」



「五年前、師央くんを亡くしたときにね」



海牙が、二つ目の玄獣珠を受け取った。


首から提げたほうも、服の上に引っ張り出す。



「オーバーキルってことはないでしょう。本当はここで死ぬはずの大ケガです。人の命の質量が懸かってるんですよ。石二つ砕けるくらいで、ちょうどいいはず。


鈴蘭さんのチカラは偉大ですよ。こっちもお願いしたいところだけど」



「時間がないんです。生きてるうちに治してください」



海牙は目を閉じた。


玄獣珠が、チカリと光る。



「ぼくの声に応えよ、二つの玄獣珠。願いを叶えてほしい。阿里海牙と伊呂波文徳の傷を癒せ。代償は、玄獣珠!」


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