LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


オレたちの前から、師央がいなくなる。


当然のことだ。


四獣珠が願いを叶えたら、オレたちは過去へ戻される。師央は未来へ戻される。



うつむいた師央の嗚咽が聞こえた。


オレは師央の肩を抱いた。



「泣くな、師央。そうすぐに泣くもんじゃないだろ?」



「あ、煥さんたちの、せいですっ。ぼく、泣いたこと、なかったのに。過去に戻って、なぜか涙もろくなって」



泣けないのは、気を張って生きてきたからだ。


両親もなく、襲撃から隠れて、きっとあまりにも必死だった。



――すまなかった――

でも、その未来は消滅したから。



「戻ったら、両親や伯父貴に甘えろ。おまえが頑張ったから、そいつらも生きてるんだ」


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