LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
そいつは口を開いた。
今度は声が出た。
「師央です。伊呂波師央、十五歳です」
年齢は訊いてない。すでに知ってるし。
兄貴が首をかしげた。
「伊呂波? でも、うちの家系じゃないだろう?」
「いいえ、同じ伊呂波家です。ぼくは、信じてほしいんですけど、信じられないかもしれないけど、ぼく、未来からきました」
「未来!?」
さすがの兄貴も声がうわずった。
それが常識的な反応だよな。
でも、師央と名乗ったそいつはめげない。
まっすぐな目で兄貴を見つめた。
「ぼくは、伊呂波煥の息子です。だから、あなたは、ぼくの伯父なんです」