LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


そいつは口を開いた。


今度は声が出た。



「師央です。伊呂波師央、十五歳です」



年齢は訊いてない。すでに知ってるし。



兄貴が首をかしげた。



「伊呂波? でも、うちの家系じゃないだろう?」



「いいえ、同じ伊呂波家です。ぼくは、信じてほしいんですけど、信じられないかもしれないけど、ぼく、未来からきました」



「未来!?」



さすがの兄貴も声がうわずった。


それが常識的な反応だよな。


でも、師央と名乗ったそいつはめげない。


まっすぐな目で兄貴を見つめた。



「ぼくは、伊呂波煥の息子です。だから、あなたは、ぼくの伯父なんです」


< 46 / 485 >

この作品をシェア

pagetop