LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


夕暮れどきを川沿いで過ごすのが好きだ。


五月に入って、気候も温かくなった。



川沿いは、芝生敷きの広場だ。


平日の昼は、年寄りや主婦の散歩コース。


休日になれば、子どもらの遊び場。



でも、昼間だけだ。


西日が差し始めると、変わる。すっと、ひとけがなくなる。



左耳のイヤフォンが鋭いギターを鳴らした。


フィニッシュを待たずに、オレは音楽プレイヤーの電源を切る。



感じる。気配と、音を。



バイクのマフラー音は、まだ遠い。足音が近い。


オレは振り返った。


赤い特攻服の連中がいた。ざっと数える。十三人。


< 461 / 485 >

この作品をシェア

pagetop