LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


オレの背後から忍び寄る予定だったらしい。


それより先に、オレが気付いた。


連中は開き直った。


走って距離を詰めてくる。手に手に武器を持っている。



あの悪趣味な赤は、隣の町のやつらだ。


族の名前、何だったっけ?



「煥、あいつら面倒だぜ! 気を付けろ!」



背の高い男がオレに注意を促しながら、駆けてくる。


少し遅れて、二人。


全員、襄陽の生徒だ。


オレは背の高い男に向き直った。顔を見たことある気がする。



「キョトンとするなよ、煥。去年も今年も同じクラスだろうが! 順一だよ、尾張順一」



「あ、そう」



「クールだな、相変わらず。後ろのは、妹分の寧々と弟の貴宏だ」


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