LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
「しおにぃ、この問題、どーやんの?」
「ん? どれがわからないの?」
師央は輝貴《てるき》のノートをのぞき込んだ。
輝貴は一つ年下の幼なじみだ。
中学三年生になって、急に勉強熱心になった。
「だって、しおにぃと同じ学校に行きたいし」
師央は襄陽学園高校の一年生だ。
襄陽は両親の母校だから、昔から憧れがあった。
制服もカッコいいと思う。つい三年前にリニューアルしたのだ。長江理事長が自らデザインしたらしい。
ちなみに、理事長は師央の両親の友達だ。師央もよく知っている。
師央が輝貴に公式を教えようとしたとき、パタパタと廊下を走る足音が聞こえてきた。
ノックなしで、ドアが開けられる。