LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


「てるにぃ! おかーさんが、そろそろ帰って来いって」



輝貴の妹の茜《あかね》だ。


師央はこっそり、ドキッとした。


中学二年生になった茜は最近、何だか大人びた。髪を少し伸ばしたせいだ。


寧々さんに似てきたな、と思う。


まいってしまう。茜にドキドキするなんて。



輝貴と茜の母親は、寧々という。


師央の母の、中学時代からの親友だ。



「茜、おれは勉強中なんだよ。もうちょい時間かかんだけど?」



「てるにぃが頭悪いから、時間かかんの。しおにぃだって、自分の勉強があるんだよ。ほら、さっさと帰る!」



「だぁぁ、うるせー」



輝貴と茜のやり取りは、二人の両親にそっくりだ。


二人の父親の貴宏も、師央の母の古い友人だ。


師央の父とも、今でも仲がいい。


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