LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


黙ってたら、呼び名云々の話になって、兄貴が爆笑して、オレは腹が立って、でも、だし巻き卵はうまくて。



視線を上げてみる。


師央の笑顔にぶつかる。


ドキリ、とする。いや。ザワリ、か。


何だろう?


白獣珠が、オレの違和感に同期して、拍動をわずかに速める。



能力を持ってるせいか、オレは勘がいい。


予感や直感は、たいてい当たる。


そのオレが、師央の赤茶色の目を見ていると、なつかしさ、寂しさ、やるせなさを感じる。



――すまない――

届かない言葉。


――生きてくれ――

届けたい願い。



記憶に似た、予知夢のような何かに、胸が騒ぐ。


オレはこの未来を知っているのか?


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