LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


「煥、さん?」



呼ばれて、ハッとした。


師央がオレの名を呼んだんだ。



「それなら許す」



「あ、はい、ありがとうございます。あの、煥さん、考えごとですか?」



「何でもない」



「朝はパンのほうがよかったですか?」



「どっちでもいい」



兄貴が口を挟んだ。



「おれは和食が好きだな。それにしても師央くん、料理がうまいんだね。どこかで習った?」



「ありがとうございます。伯父……じゃなくて、文徳さん。師央って呼び捨てしてください。そっちのほうが慣れてるので」




「わかった」



「料理は、見よう見まねです。ぼく、そういう能力があるんです」


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