LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
食事の後片付けまで、師央は完璧だった。
苦労して育ってんのか? 普通に湧いた疑問。
同時に湧くのは、不吉な予感。
同じことを、兄貴も考えていた。
皿洗いの背中に聞こえない声で言う。
「家事、慣れすぎだ。日常的にやってるんだろう。どういう家庭事情なんだろうな?」
例えば、親がいない? 親戚の家に、遠慮しながら住んでる?
あいつはオレを父と呼ぶ。
兄貴を伯父と呼ぶ。
そのタチの悪い言い方に従うなら、ゾッとする。
「オレは、詮索するつもりはねぇよ。でも、兄貴は信じるか?」
「おれが師央の伯父だって話?」
「信じられるはずもないか」