LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


兄貴はさりげなく表情を変えた。


生徒会長モードだ。ってのがわかるのは、オレだけだろうな。


いや、亜美《あみ》さんにもわかるか。亜美さんは兄貴の彼女だ。



「師央、ありがとうな」



「このくらいでよければ、いつでも」



「助かるよ。ところで、今日、どうするつもりだ?」



「えーっと」



師央は何も考えてないらしい。


兄貴は、しれっと言った。



「それなら、襄陽学園に来るといい。煥、制服を貸してやれ。新品のが一着、あるだろ?」



オレの制服はケンカのせいでボロボロで、見かねた兄貴が新品を買った。


でも、オレはいまだに古いほうを着てる。


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