LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


「文徳先輩、その子は親戚さんですか?」



水を向けられた師央が固まる。


兄貴は平然と師央の肩を抱いた。



「そうなんだ。いとこでね。しばらく同居することになった。襄陽に一時編入するんだ」



さわやかな笑顔の仮面で、しゃあしゃあと嘘をついてる。


兄貴の嘘はなかなかバレない。


たまに、オレですら信じそうになる。


おかげで、師央もまったく疑われてない。



「いとこさんかぁ。きみ、一年生?」



こくこく、と、うなずく師央。


口で言えよ。


まあ、女子たちの勢いが怖いのか。


完全に逃げ腰だ。兄貴にしがみついてるし。


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