LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


オレにとって、いつもの言葉だった。つい口を突いて出るくらい、いつもの。



師央がどんな顔をしてるか、見なくてもわかった。


オレが傷付けた。


胸がザラッとした。不快感。


どうして? 傷付いたからじゃなく、傷付けただけなのに。



「聞き捨てならない! あなた、本当に失礼なんですね。今の言葉は、ひどすぎると思います。師央くんに謝ってください」



突然、横合いから、お節介な言葉が飛んできた。


この声は、昨日、聞いた。


響きだけは美しいけど、中身は口うるさい。



オレはうんざりと、兄貴はさわやかに、師央は嬉しそうに、その女のほうを向いた。


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