LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
「師央、なんだな……?」
かすかに微笑む若き日の伯父の胸にも、今しがた被弾した銃創がある。
シャツが赤く濡れていく。
伯父は、ガクリと、くずおれた。
「伯父さんっ」
十五歳のあの日に一度。
十五年の時をさかのぼって、再び。
どうして二度も伯父の死に際を見なくてはならない?
運命は修正可能なはずだ。
未来を決める分岐点が必ずあるはずだ。
幸せな未来を生きる一枝《ひとえだ》を、絶対に手に入れたい。
それなのに、少年は救えていない。
父も母も。
それどころか、生存するはずの伯父まで死なせてしまった。