LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


「師央、なんだな……?」



かすかに微笑む若き日の伯父の胸にも、今しがた被弾した銃創がある。


シャツが赤く濡れていく。


伯父は、ガクリと、くずおれた。



「伯父さんっ」



十五歳のあの日に一度。


十五年の時をさかのぼって、再び。


どうして二度も伯父の死に際を見なくてはならない?



運命は修正可能なはずだ。


未来を決める分岐点が必ずあるはずだ。


幸せな未来を生きる一枝《ひとえだ》を、絶対に手に入れたい。



それなのに、少年は救えていない。


父も母も。


それどころか、生存するはずの伯父まで死なせてしまった。


< 8 / 485 >

この作品をシェア

pagetop